東京物語・・・若さ故・・・残像
あれから17年たった今でも、はっきり思い出せるその瞬間・・・。残像のように目に焼き付いている。
その数日前に、お互いに別れを告げたはずなのだが、何と言ったのか、お互い、どんな状態だったのかを思い出せない。
思い出せるのは、そのシーンだけ・・・。
バイクで部屋に戻ると、マットの外れたベッドの骨組みの中で、彼女は後ろ向きに立ち尽くしていた。そのシーンだけだ。
確かその日は、バイク仲間に手伝って貰って、新しい自分の部屋に荷物を運び出したはず。彼女に最後の挨拶する為にバイクで戻って来たんだ。
その夜は、多分彼女は泣いていたと思う。自分も、今までの経緯を思い起こし、新しい部屋で眠れぬ夜を過ごしたはず。
「子供でも出来てれば、違ってたかもね・・・?」彼女は言った。
「そうだね・・・。」そう答えた。
実際、そうだと思った。
何故、子供を作らなかったんだろう?いや、それ以前に、何故入籍しなかったんだろう?
その理由は、今でも判らない。
もしかしたら、この運命を心のどこかで予想していたからなのかもしれない。
こうしていると、いろいろな思いが交錯する・・・。
つい、昨日のように思い出せるたくさんの思い出・・・。
いっぱい喧嘩したよな?いっぱい愛し合ったよな?一緒に飲みに行ったよな?一緒にメシ食いに行ったよな?一緒に映画を見たよな?バイクの2人乗りも随分したな。他人に対し、「ウチの女房」という呼び方をした事もあったな。たまに、お風呂屋さんにも一緒に行ったな。「貴方のご飯を作るのって、簡単だよね。カレー、ラーメン、ハンバーグを作ってればいいんだもんね?(笑)」なんて言われたりしたよな?亡くなったお母さんの実家がある三陸海岸にも行ったな。初めて大船渡線に乗ったよ。その時は、「かもめの卵」ってお菓子をオミヤゲに買ったんだ。その後、ウチの実家にも一度来たな。そうそう、親の前で、眠くなっちゃって、キミの膝枕でウトウトしたな。夜は飲み屋街に繰り出したな。帰って来たら、部屋の中のゴミ袋に入れた生ゴミが腐ってたっけ。(笑)
部屋の前から、一緒に夕日を見たよな?オレンジ色に染まる高台からの景色。
その全てが、今でも残像のように瞼に浮かぶ・・・。
それでも、お互いに新しい道を歩き出したんだ。
その数日前に、お互いに別れを告げたはずなのだが、何と言ったのか、お互い、どんな状態だったのかを思い出せない。
思い出せるのは、そのシーンだけ・・・。
バイクで部屋に戻ると、マットの外れたベッドの骨組みの中で、彼女は後ろ向きに立ち尽くしていた。そのシーンだけだ。
確かその日は、バイク仲間に手伝って貰って、新しい自分の部屋に荷物を運び出したはず。彼女に最後の挨拶する為にバイクで戻って来たんだ。
その夜は、多分彼女は泣いていたと思う。自分も、今までの経緯を思い起こし、新しい部屋で眠れぬ夜を過ごしたはず。
「子供でも出来てれば、違ってたかもね・・・?」彼女は言った。
「そうだね・・・。」そう答えた。
実際、そうだと思った。
何故、子供を作らなかったんだろう?いや、それ以前に、何故入籍しなかったんだろう?
その理由は、今でも判らない。
もしかしたら、この運命を心のどこかで予想していたからなのかもしれない。
こうしていると、いろいろな思いが交錯する・・・。
つい、昨日のように思い出せるたくさんの思い出・・・。
いっぱい喧嘩したよな?いっぱい愛し合ったよな?一緒に飲みに行ったよな?一緒にメシ食いに行ったよな?一緒に映画を見たよな?バイクの2人乗りも随分したな。他人に対し、「ウチの女房」という呼び方をした事もあったな。たまに、お風呂屋さんにも一緒に行ったな。「貴方のご飯を作るのって、簡単だよね。カレー、ラーメン、ハンバーグを作ってればいいんだもんね?(笑)」なんて言われたりしたよな?亡くなったお母さんの実家がある三陸海岸にも行ったな。初めて大船渡線に乗ったよ。その時は、「かもめの卵」ってお菓子をオミヤゲに買ったんだ。その後、ウチの実家にも一度来たな。そうそう、親の前で、眠くなっちゃって、キミの膝枕でウトウトしたな。夜は飲み屋街に繰り出したな。帰って来たら、部屋の中のゴミ袋に入れた生ゴミが腐ってたっけ。(笑)
部屋の前から、一緒に夕日を見たよな?オレンジ色に染まる高台からの景色。
その全てが、今でも残像のように瞼に浮かぶ・・・。
それでも、お互いに新しい道を歩き出したんだ。