東京物語・・・若さ故・・・新生活 | 「アンチカリスマ」の徒然なるままに・・・

東京物語・・・若さ故・・・新生活

彼女の家族構成は、父、母、彼女、妹の4人。しかし、実は母親は継母だった。彼女は父親の前妻の娘。妹は継母の娘。本当の母親は、彼女が小さい頃に亡くなっていた。

彼女は継母と折り合いが悪く、そのせいで父親とも上手くいってないようだった。そんな理由から、独立した自分の生きる世界を早く作り上げたかったのだと思う。継母も、厄介払いが出来ると思ったのか、彼女の独り立ちには積極的に加担した。

「入籍はいつ?」
彼女の家族との食事会で継母が急かしてくる。

しかし、父親は、「まだ、早いんじゃないか?来年でもいいだろう。」とけん制する。恐らく、父親は、継母の内心を知っているようだった。

とりあえず、一緒に住む事に決めた2人に、父親はお金を渡した。そのお金で、彼女の実家にほど近い調布市に部屋を借りた。

多摩川方向に、夕日が綺麗に見える高台だった。

その時には、中野区に職場を移っていたが、バイクで30分という通勤時間はさして遠くは感じられなかった。それよりも、誰に咎められる事も無く一緒に住める事に歓喜し、毎日毎日、少しでも早く帰る為にバイクを飛ばした。