東京物語・・・若さ故・・・嵐
彼女と別れてしばらくは虚脱感に見舞われた。その頃既にお店も替わり、板橋区のアパートに住んでいたが、江古田の駅前を闊歩する学生達はやけに楽しそうで恨めしかった。何故自分は独りなんだろう?どうしようもなかった。
知り合いの紹介とかで、何人かの若いコと出会い、それなりの関係になりつつも、心には塞がらない大きな穴があった。
ある夜、予想だにしない彼女からの電話。
「いろいろゴメンネ。多分、もう二度と会えないと思う・・・。」それだけを言い残してプッツリと切れた。
虫の知らせというか、何か釈然としない違和感があった。
もう夜も遅い時間、明日も仕事だ。外は雪でも降ろうかという寒い夜だった。でも、何だ?この胸のざわめき・・・。確かめずにはいられない。
もしも行き違いがあってはいけない。ドアの鍵は掛けない。ストーブも点けっ放し。そして、急いでバイクに跨った。
環7を川越街道に向かい突っ走る。全開だ。1分1秒でも速く・・・。川越街道の手前でスピード違反で捕まった。手間取っているヒマは無い。すぐにサインをする。罰金なんてどうでもよかった。
彼女の部屋へ登る階段が、ヤケに急に感じる。夢で誰かに追いかけられてるような感じ。足がノロノロと上手く動かない。
ドアを開けた。コタツに突っ伏した彼女の姿。コタツ布団にはおびただしい鮮血。呼びかけても答えない。
彼女は手首を切っていたのだ。
知り合いの紹介とかで、何人かの若いコと出会い、それなりの関係になりつつも、心には塞がらない大きな穴があった。
ある夜、予想だにしない彼女からの電話。
「いろいろゴメンネ。多分、もう二度と会えないと思う・・・。」それだけを言い残してプッツリと切れた。
虫の知らせというか、何か釈然としない違和感があった。
もう夜も遅い時間、明日も仕事だ。外は雪でも降ろうかという寒い夜だった。でも、何だ?この胸のざわめき・・・。確かめずにはいられない。
もしも行き違いがあってはいけない。ドアの鍵は掛けない。ストーブも点けっ放し。そして、急いでバイクに跨った。
環7を川越街道に向かい突っ走る。全開だ。1分1秒でも速く・・・。川越街道の手前でスピード違反で捕まった。手間取っているヒマは無い。すぐにサインをする。罰金なんてどうでもよかった。
彼女の部屋へ登る階段が、ヤケに急に感じる。夢で誰かに追いかけられてるような感じ。足がノロノロと上手く動かない。
ドアを開けた。コタツに突っ伏した彼女の姿。コタツ布団にはおびただしい鮮血。呼びかけても答えない。
彼女は手首を切っていたのだ。