東京物語・・・若さ故・・・温もり | 「アンチカリスマ」の徒然なるままに・・・

東京物語・・・若さ故・・・温もり

最初の店を半年で辞め、知り合いのアパートにしばらく居候した後、埼玉の個人経営店に勤めた。

専門学校で知り合った彼女は、埼玉からは遠い稲城市に実家があった。毎日、仕事が終わった後に、京王よみうりランド駅まで送っていった。

駅の裏山(よみうりランド)は人気も無く、最終電車に間に合うまでの数十分が一緒にいられる時間だった。

触れたい、キスしたい、抱き締めたい、そんな思いの渦巻く中、それでも、「自分にはまだ早い、彼女を傷付けてはいけない、嫌われるのも怖い」そんな気持ちが邪魔をする・・・。

マジメで、経験も無い19歳の自分には、大人への階段はあまりに高く、葛藤で一杯だったのだ。

しかし、その夜、どうしても高ぶる気持ちを抑えきれず、彼女を強く抱き締めた。

そして、震える手で、彼女のアウトラインを確かめるように触れていた。

服の上からでも感じられる彼女の体温、呼吸・・・。経験した事のない、女性の柔らかさ・・・。愛おしさで一杯になった。

その夜、初めて女性の胸に触れたのだった・・・。