東京物語・・・若さ故・・・命 | 「アンチカリスマ」の徒然なるままに・・・

東京物語・・・若さ故・・・命

グッタリしている彼女を必死に揺り動かし、名前を呼ぶ。意識を引き戻さなければ・・・。

夢とも現実とも判断出来ないようなどんよりとした感じで目を覚ました彼女を抱きかかえ、次にすべき事を考える。「血を止めなければ・・・。」腕にタオルを巻いて締め上げる。「救急車?警察?」近所に交番があった事を思い出す。すぐに彼女を抱きかかえ、交番に向かった。

経過を説明し、それでも疑り深い警察官に、「理由はどうでもいいから、救急車を呼べよ!」と大声で怒鳴った。

救急病院での治療中、警察官は執拗に詳細を訊いてくる。オレは全てを話した。今までの関係、そして例のヤツの存在も。


この辺りの出来事の順序の記憶は定かではないが、彼女は騙されていたらしい事が判った。

ヤツは、彼女にいろいろ買い物をさせてた。大型テレビやその他電化製品。とにかく金を使わせたらしい。その話を聞き、オレはヤツの実家(マンションの一室)に殴り込んだ。真夜中だった事を考えると、事件当日だったのかもしれない。

出て来たヤツを思いっきり殴り倒し、後から出て来た母親にも罵声を浴びせる。そうせずにはいられなかった。

病院から彼女を連れて彼女のアパート帰る。そこには、警察から連絡を受けた彼女の親もアパートに来ていた。

怒りや拒絶の言葉を浴びせられ、何も言わず立ち上がったオレを、彼女は必死で擁護した。「私を助けてくれたの。命を救ってくれたのよ。」と。

この言葉が、その後の人生の行方を左右する事に・・・。